
脳震盪 PART②
更新日:2019年5月28日

今回は頭部外傷受けた選手の対応についてまとめてみました!
まずスポーツ現場で頭部外傷を受けた選手に対しては現在の状況を適切に評価する事が大切です。
スポーツによる脳震盪、頭部外傷の評価、対処法としては、国際オリンピック連盟などがだしているSCAT(sports conccusion assessment tool)が一般的です。
現在最新のものはscat5まででいますが、
日本語訳されているのかscat3までですので、scat3を貼っておきます。
http://www.fujiwaraqol.com/concussion/scat3_ja.pdf
チャイルドscat
12歳以下の選手はチャイルドscatを使用して下さい。
http://www.fujiwaraqol.com/concussion/child_scat3_ja.pdf
ポケットscat
ポケットscatは内容が簡易化されており、スポーツトレーナーやドクターは試合や練習の時は持っておくと便利です。
https://www.rugby-japan.jp/about/committee/safe/concussion2012/guideline/Pocket_SCAT2.pdf
ポケット脳震盪認識ツール
医療従事者でない方はこちらの使用をお勧めします。
かなり簡易化されており、小児~成人まで使用可能です。
http://www.fujiwaraqol.com/concussion/pcrt_ja.pdf
実際にスポーツ現場で頭部外傷がおきた際には上記のscatなどの確認ツールの内容を参考にして評価します。
順番としては
①選手の意識状態の確認
確認はグラスゴー⚫︎コーマ⚫︎スケールで評価します。
グラスゴー⚫︎コーマ⚫︎スケールはscat3に記載されています。
②意識があれば状態を評価します。
脳震盪疑いのある状態
⚫︎意識消失
⚫︎痙攣
⚫︎健忘
⚫︎頭痛
⚫︎頭部圧迫感
⚫︎頚部痛
⚫︎吐き気
⚫︎めまい
⚫︎目がぼやける
⚫︎ふらつく
⚫︎光に敏感
⚫︎音に敏感
⚫︎霧の中にいるかんじ
⚫︎疲労、力がでない
⚫︎なにか変なかんじがする
⚫︎集中できない
⚫︎眠い
⚫︎感情的
⚫︎イライラ
⚫︎悲しい
⚫︎不安感
などがあります。
1つでもあれば脳震盪疑いとなります。
③記憶力を評価する
マドックス⚫︎スコアを用いて評価します。
これもscat3記載されています。
質問形式となっており
今は試合の前半、後半どっちですか?
今日はどこの試合会場にきていますか?
など簡単な質問を行い評価します。
④バランステスト
こちはもscat3に記載されています。
両足を一直線上に並べ立ってもらい20秒間にエラー動作が6個以上でないか見るテストです。
6個以上のエラーがあった場合脳震盪を疑います。
上記のようか流れで状態を評価し、脳震盪の疑いが1つでもあればその日の内に競技復帰させてはいけません。
競技復帰させ、セカンドインパクト症候群になり後遺症が残り、復帰の許可を出した方に賠償金が求められた事例などもあります。
そして、必ず病院へ受診させましょう。
また受賞後24~48時間は選手を1人きりにさせず観察を続ける必要があります。
車やバイクの運転もさせてはいけません。
アルコール摂取を控えること、睡眠薬やアスピリン、抗炎症薬、鎮静作用のある痛め止めは使用しないようにしましょう。
上記のことは家族やチーム関係者も把握している必要があるので伝えるようにしましょう。
また救急搬送が必要な例を下記にあげます。
◎グラスゴー・コーマ・スケール15点未満
◎意識状態の悪化
◎精髄損傷の疑い
◎症状の悪化、新たな神経学的徴候
上記の場合には可及的速やかに救急処置を行い、病院へ搬送して下さい。
前回のブログに書いてあるように、脳震盪を甘くみては行けません。
セカンドインパクト症候群や高次脳機能障害へと繋がる可能性があるので、
多くの方が対応方法を理解して、スポーツに関わってくれるとかなしい事故などを防げると思います。